ぐるマップメディア

【完全ガイド】クラフトビールの種類と違いとは?エールとラガーの違い・代表スタイル&初心者向け選び方を徹底比較!

「クラフトビールのお店に行ったら、メニューに『IPA』『ヴァイツェン』『スタウト』と並んでいて何が違うのか分からなかった……」

「普通のビール(ピルスナー)とクラフトビールって、具体的に何が違うの?」

「苦いのが苦手でも美味しく飲めるクラフトビールはある?おすすめの選び方を知りたい!」

近年、全国のブルワリー(醸造所)やビアバー、コンビニでも手軽に楽しめるようになり、大ブームを巻き起こしている「クラフトビール」。

しかし、いざグラスを傾けようとメニュー表を開くと、カタカナの専門用語や多彩なビアスタイルが並んでおり、「どれを選べば自分の好みに合うのか迷ってしまう」という初心者の方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、クラフトビール選びをマスターする最大の鍵は、世界に100種類以上あるビアスタイルの頂点に立つ「発酵方法(エールとラガーの違い)」を理解し、代表的な6〜7つの基本スタイルを押さえることです。

発酵酵母の違いさえ分かれば、味の濃淡や香りの方向性、苦味の強さをメニュー名から簡単にイメージできるようになります。

本記事では、そもそもクラフトビールとは何かという基本知識から、エールとラガーの決定的な違い、絶対に知っておくべき代表ビアスタイル一覧、料理に合わせたペアリング術、初心者が失敗しないスマートな注文のコツまで徹底解説します!

1. そもそもクラフトビールとは?大手ビールとの違い

クラフトビール(Craft Beer)の「クラフト(Craft)」とは、英語で「職人技・手作業・工芸」を意味する言葉です。

① クラフトビールの定義と歴史

日本では1994年の酒税法改正により、ビールの最低製造数量基準が年間2,000キロリットルから60キロリットルへと大幅に引き下げられました。これを機に全国各地に小規模な醸造所が誕生し、当時は「地ビール」と呼ばれて観光地のお土産を中心に親しまれました。

その後、醸造家たちの技術向上や原材料の多様化、アメリカを中心とした世界的なクラフトビールカルチャーの波が融合し、「小規模な醸造所で、ブルワー(醸造士)が強いこだわりと創造性をもって造る高品質で個性豊かなビール」を総称してクラフトビールと呼ぶようになりました。

② 大手ビールとの違い

日本国内で流通している大手メーカーのビールの約99%は、「ピルスナー」と呼ばれるすっきりとした黄金色の同一スタイルです。

一方、クラフトビールは伝統的な麦芽・ホップ・水・酵母だけでなく、フルーツ、スパイス、コーヒー豆、ハーブなどを柔軟に使用し、「香り・色・苦味・アルコール度数」が極めて多彩であることが最大の魅力です。

2. 全ての基本!「エールビール」と「ラガービール」の違い

世界中に存在する100種類以上のビアスタイルは、酵母による「発酵方法の違い」によって、大きく「エール(上面発酵)」と「ラガー(下面発酵)」、そして一部の「自然発酵」の3つに大別されます。

比較項目エールビール(上面発酵)ラガービール(下面発酵)
発酵酵母・温度エール酵母(常温:15℃〜25℃)ラガー酵母(低温:5℃〜10℃)
酵母の挙動発酵が進むと麦汁の表面に浮き上がる発酵が進むとタンクの底に沈んでいく
発酵・熟成期間比較的短い(数日から数週間)長い(数週間から数ヶ月、貯蔵する)
歴史・ルーツビールの原点(古代エジプト・中世ヨーロッパ)中世以降(19世紀の冷蔵技術で世界へ普及)
味わい・香りの特徴フルーティーで華やかな香り、濃厚なコクスッキリ爽快、クリアなのどごし、キレが良い
おすすめの温度帯やや高め(10℃〜13℃:香りが開きやすい)キンキンに冷やす(4℃〜8℃:喉ごしが際立つ)
代表的なスタイルペールエール、IPA、ヴァイツェン、スタウトピルスナー、ヘレス、シュヴァルツ、デュンケル

① エールビール(上面発酵):香り高くリッチな味わい

中世から続く歴史の古い醸造法です。やや高めの常温で短期間発酵させるため、酵母が活発に働き、「エステル香」と呼ばれるリンゴ、バナナ、洋梨のようなフルーティーで華やかなアロマが生み出されます。

ワインのようにグラスを回しながら、香りとふくよかなコクをゆっくり楽しむのに適しています。

② ラガービール(下面発酵):澄んだ喉ごしと抜群のキレ

「ラガー」はドイツ語の「Lager(貯蔵庫・寝かせる)」に由来します。低温で雑菌の繁殖を抑えながらじっくり発酵・熟成させるため、酵母特有の香りが抑えられ、雑味のない非常にクリアでクリーンな味に仕上がります。

日本人が普段居酒屋で「とりあえず生!」と頼むビールのほとんどが、このラガービールに属します。

3. まず覚えるべき!代表的な人気ビアスタイル7選

クラフトビールの世界を旅するなら、まずは以下の代表的な7つのスタイルを押さえておけば、バーや居酒屋でメニュー選びに迷うことはありません。

① ペールエール(Pale Ale)

  • 発酵タイプ: エール
  • 発祥国: イギリス(のちにアメリカで大きく進化)
  • 特徴・味わい: クラフトビールの代表格。適度なホップの苦味と、柑橘類を思わせる爽やかな香り、モルト(麦芽)の香ばしさが美しく調和しています。
  • こんな人におすすめ: 「いつものビールから一歩踏み出して、クラフトビールらしい華やかな香りを体験してみたい」という入門者に最適です。

② IPA(インディア・ペールエール)

  • 発酵タイプ: エール
  • 発祥国: イギリス
  • 特徴・味わい: 18世紀末、英国から植民地インドへビールを運ぶ航海中、腐敗を防ぐために大量のホップを投入したことから生まれたスタイル。ガツンとくる力強い苦味と、柑橘や松の木のような強烈なホップのアロマ、やや高めのアルコール度数が特徴です。
  • こんな人におすすめ: クラフトビール特有の鮮烈な苦味とパンチのある香りにハマりたい、現代のクラフトビールブームの中心スタイルを味わいたい人。

③ ピルスナー(Pilsner)

  • 発酵タイプ: ラガー
  • 発祥国: チェコ(ピルゼン)
  • 特徴・味わい: 日本のメジャービール(アサヒ、キリン、サッポロ等)のベースとなっている世界標準スタイル。淡い黄金色、きめ細かな白い泡、ホップの心地よい苦味と、爽快なキレ味が魅力です。
  • こんな人におすすめ: のどごし重視でゴクゴク飲みたい人、脂っこい料理と合わせて口の中をすっきりリセットしたい人。

④ ヴァイツェン(Weizen)

  • 発酵タイプ: エール
  • 発祥国: ドイツ(バイエルン地方)
  • 特徴・味わい: 通常の大麦麦芽に加え、小麦麦芽(ヴァイスビア)を50%以上使用した白ビール。ホップの苦味がほとんどなく、バナナやクローブ(丁字)を思わせるフルーティーで甘いアロマと、絹のように滑らかな泡立ちが特徴です。
  • こんな人におすすめ: 「ビールの苦味が苦手」「フルーティーで飲みやすいお酒が好き」という女性や初心者。

⑤ ベルジャンホワイト(Belgian White)

  • 発酵タイプ: エール
  • 発祥国: ベルギー
  • 特徴・味わい: 小麦麦芽に加えて、コリアンダーシード(香辛料)やオレンジピール(オレンジの皮)などのスパイスを使って風味付けされた伝統的な白ビール(ヒューガルデンなどが有名)。爽やかな酸味とハーブの清涼感が広がります。
  • こんな人におすすめ: 爽やかでスパイシーな風味を楽しみたい人、カクテル感覚でおしゃれに乾杯したい人。

⑥ スタウト(Stout)

  • 発酵タイプ: エール
  • 発祥国: アイルランド
  • 特徴・味わい: ギネスビールに代表される漆黒の黒ビール。高温で黒くなるまで深く焙煎した大麦を使用しており、コーヒーやビターチョコレート、カカオのような香ばしさと奥深いコク、クリーミーな泡が楽しめます。
  • こんな人におすすめ: 濃厚でビターな味わいが好きな人、食後のデザートと一緒にゆっくり味わいたい人。

⑦ フルーツビール・サワーエール(Fruit Beer / Sour Ale)

  • 発酵タイプ: エールまたは自然発酵
  • 発祥国: ベルギーなど
  • 特徴・味わい: ベリー、レモン、桃、ブドウなどの果汁を加えて仕込んだフルーツビールや、乳酸菌の働きで爽快な酸味を引き出したサワーエール。ビールとは思えないジューシーな果実味と酸味が特徴です。
  • こんな人におすすめ: 普段サワーや果実酒を好んで飲む人、乾杯酒やアペリティフ(食前酒)を探している人。

4. 料理に合わせて美味しさ倍増!ビアスタイル別ペアリング術

ワインと同様に、クラフトビールも料理との相性(ペアリング)を意識することで、互いの美味しさを何倍にも引き立てることができます。

① 「同調」:似たような色・風味を合わせる

  • 黒ビール(スタウト) × チョコレート・煮込み料理ローストされた麦芽の香ばしさと、デミグラスソースのコクやカカオの苦味・甘みがぴったりマッチします。
  • 白ビール(ヴァイツェン) × ソーセージ・白カビチーズ小麦のまろやかさとフルーティーな酸味が、ドイツ風白ソーセージやカマンベールチーズのミルキー感を引き立てます。

② 「補完・対比」:味のバランスを整える

  • 苦味の強いビール(IPA) × スパイスカレー・麻婆豆腐・フライドチキンIPAの強烈なホップの香りと苦味が、スパイシーな刺激や揚げ物の脂っぽさに負けず、口内をリフレッシュさせながら旨味を増幅させます。
  • 爽快なビール(ピルスナー) × 焼き鳥(塩)・餃子・枝豆キリッとした炭酸とキレ味が、お肉のジューシーな脂をきれいに洗い流してくれます。

5. 初心者がビアバーやお店で失敗しない注文のコツ

専門店やクラフトビールを扱う居酒屋に入った際、スマートに好みの1杯を見つけるための実践テクニックです。

① 「味の3大要素(苦味・フルーティーさ・重さ)」を店員に伝える

銘柄名が分からなくても全く問題ありません。店員さんに以下の好みを伝えるだけで、ぴったりのタップ(樽生)を選んでくれます。

  • 「ビールの苦いのが苦手なので、フルーティーで甘みのあるものはありますか?」
  • 「ホップの香りと苦味がガツンと効いた、おすすめのIPAはありますか?」
  • 「1杯目なので、すっきり軽快に飲める爽やかなスタイルをください」

② メニューの「IBU」と「ABV」をチェックする

クラフトビールのメニューには、専門用語の数値が記載されていることがあります。

  • ABV(Alcohol by Volume): アルコール度数のこと(例:5.0%〜8.5%)。
  • IBU(International Bitterness Units): 国際苦味単位のこと。数値が大きいほど苦味が強くなります(日本の一般的なビールは15〜20前後、強烈なIPAは60〜100近くに達します)。

③ 「飲み比べセット(ビアフライト)」を活用する

多くのビアバーでは、小さなグラスで3〜4種類の異なるスタイルを少量ずつ試せる「飲み比べセット」が用意されています。

まずはペールエール、白ビール、黒ビール、IPAなどを一度に並べて飲み比べることで、自分の舌が好むスタイルを一発で見つけ出すことができます。

まとめ:スタイルの違いを知って、自由で奥深いクラフトビールの世界を楽しもう!

クラフトビールの醍醐味は、決まったルールにとらわれず、ブルワーたちの情熱と個性を五感で楽しむことにあります。

  1. 基本の2大軸は「香り高くフルーティーなエール」と「すっきりキレのあるラガー」
  2. クラフトビールの王道を知りたいなら「ペールエール」や「IPA」を選ぶ
  3. 苦味が苦手なら、小麦由来の「ヴァイツェン」やスパイス香る「ベルジャンホワイト」がおすすめ
  4. 濃い料理にはIPAやスタウト、あっさりした料理にはピルスナーを合わせる
  5. お店では「IBU(苦味)」を目安にしつつ、素直に好みの味をスタッフに相談する

ビールの色、立ち上るアロマ、喉を通り抜ける余韻の違いを意識するだけで、いつもの乾杯が何倍も豊かで楽しい体験へと変わります。ぜひ今夜の気分や料理に合わせて、お気に入りの最高の一杯を見つけてみてくださいね!

なるほど!と思ったらシェアしよう!

この記事の著者

ぐるマップ編集部

ぐるマップ編集部は、実際に街を歩き、食べて、見つけた「また行きたい」と思えるお店や、気になるグルメ情報を紹介しています。 有名なお店だけではなく、知る人ぞ知るお店や、ふと立ち寄りたくなるお店まで。 「今日はどこで食べよう?」 「この辺でいいお店ないかな?」 そんなときに、次に行きたいお店が見つかるような情報をお届けします。 お店選びが、もっと楽しくなる。 そんなグルメメディアを目指しています。

あわせて読みたい記事